遺言を書こうか迷っています。
不動産はないので、預貯金1,000万円くらいしか遺産はありません。子供達も仲が良いし、書かなくても揉めることはないかと思っていますが・・書いたほうがいいでしょうか?
70代女性
家庭裁判所にて調停を行っていた事件のうちの大半が、遺産価額1,000万円以下、5,000万円以下の遺産を巡りもめています。
遺産は少ないほうが揉める原因となりますから、遺産の多い少ないに関わらず自分の意志を遺言書で残すことをお勧めします。
1000万円以下と5000万円以下が一番揉めます
近年遺産分割協議がまとまらずに、家庭裁判所の調停を申し立てる方が増加しております。
平成27年度 家事事件 第53表「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数-審理期間別代理人弁護士の関与の有無及び遺産の価額別-全家庭裁判所」によると、遺産分割協議がまとまらず、
家庭裁判所にて調停を行っていた事件のうちの大半が、遺産価額1,000万円以下、5,000万円以下の遺産を巡りもめていたことが明らかになりました。
お金持ちはトラブルが少ない
逆に遺産が億単位ケースは、トラブルの件数も少ないのが見受けられます。これは、遺産が多い方ほど、生前にしっかりと遺産分割対策を取られていた事が考えられるのです。
一般サラリーマンのご家庭でも預貯金や不動産の評価を合わせると1,000万円前後の財産を保有している事は決して珍しくありません。
「遺産は無い、少ない」と思われていても、実際に揉めているケースは複数存在するわけですから遺産相続トラブルは他人事ではないのです。
もめない相続にするためにも遺言書を
一番効果的なのが、遺言書の作成です。
自分で築いた財産の処分は、自分で処分方法を決めたいというのは当然のことです。よって相続財産は遺言により、遺言者の意思で自由に処分できることが原則となっています。
そのため相続手続きにおいては、まず一番最初に遺言書が遺されていないか確認作業を行い、遺言書が見つかれば、以後は遺言内容に沿って手続きを執り行っていく流れとなります。それだけ遺言書は効力が強いのです。
自分で築いた財産が原因で、相続人同士が争いになるのは心が痛い話です。
自分の財産の行方は自分でしっかりと遺言書で意思表示をしましょう。