父親が亡くなりました。遺言書はありません。
相続人は子供である私と妹の二人です。
妹は海外在住ですが、手続きをどのように進めたらいいでしょうか?
(女性・40代)
この場合、海外在住の妹さんは「印鑑証明書」は発行できないので、実印と印鑑証明書に代わる「サイン証明書」が必要になります。
日本大使館・領事館で証明書を発行してもらう事ができます。
日本へ送る国際郵便のやりとりでも時間がかかりますので、手続きは計画的に行いましょう。
海外在住の相続人がいる場合
相続人の一人が海外に住んでいる場合、日本国内に相続人全員が居住しているのに比べて異なる点があります。
海外とのやり取りの場合、どうしても時間がかかってしまうためスケジュールをしっかりと組み計画的に手続きを行っていきましょう。
印鑑証明書の代わりの「サイン証明書」
誰が何をどのくらい相続するのかを話し合い、遺産分割協議書を作成した際に、遺産分割協議書に相続人が実印で押印して印鑑証明書を添付する必要があります。
海外に一時的に住んでいるのか、その国ところが海外に居住している場合、その相続人は「印鑑証明書」は発行してもらえません。
そこで実印と印鑑証明書に代わり必要となるのが「サイン証明書」です。
海外では、実印に代わり署名(サイン)を行います。
そのため海外在住の相続人も遺産分割協議書にサインを行うことになります。
証明書は「このサインはこの人がしたものに間違いありません」と公的に証明する書類になります。
居住地の日本大使館・日本領事館にパスポートと住所が確認できる書類(運転免許証など)、署名する書類を持参することでサイン証明書を取得することができます。
サイン証明書取得の注意点
サイン証明書の取得には日本大使館・領事館に予約が必要な場合がほとんどです。
必要書類も大使館・領事館によって異なりますので事前に確認をしておきましょう。
住民票の代わりの「在留証明書」
相続において不動産を取得する場合には、法務局にて相続登記申請を行いますが、その際「住民票」が必要になります。
しかし、海外在住の相続人の場合は、日本に本籍が残っていても戸籍の附票や住民票にも外国の住所は記載されていません。
そこで住所を証明する書類として必要となるのが「在留証明書」になります。
在留証明書の発行は、
- 「@現地で既に3ヶ月以上滞在し居住していること」
- 「A3ヶ月未満であっても今後3ヶ月以上の滞在が見込まれること」
@かAどちらかの要件を満たすことで
在留証明書も居住地の日本大使館・日本領事館にてパスポートや運転免許証などを提示することで取得することが可能です。
「在留証明書」取得の注意点
不動産を取得する場合には本籍の記載がある「在留証明書」が必要になります。
本籍入りの在留証明書の取得には「戸籍謄本」が必要になるのです。
そのため、大使館・領事館に前に家族などが日本で取得した戸籍謄本を海外の居住地に送付してもらいましょう。
海外在住の相続人がいる手続きはぜひご相談下さい
海外在住の相続人がいる場合の相続手続きは、サイン証明書や在留証明書のほかにも、帰化していた場合、相続人の人数、相続財産、スケジュールも調整しなければならずケースによって対応方法が異なってきます。
当事務所ではお客様からご相談内容をお伺いし、相続手続きがスムーズに進められるようにサポートをさせていただいております。
まずはお気軽にご相談下さい。